言いたいことを言いたいだけ

アニメ、漫画、ラノベなどの感想をつらつらと語っていきます。昔の作品も取り上げます。

27回目『リコリス・リコイル(第9話)』

どうも、シオンです。

リコリス・リコイル第9話、いやぁもう言葉にならないですね。ちさたき成分満載だったんですが、これまでのように手放しで喜べないというかなんというか……。いや尊いんですけどね。ラストはちょっと目頭が熱くなってしまいました。では、語ります。

 

 

信じたくない事実

 前回、姫蒲の罠にはまり人工心臓に電流を流された千束ですが、正気はしっかりと保っていました。しかし、千束の人工心臓は定期的に充電をする必要があるようで、その機能を破壊されてしまったようです。山岸先生の病院で定期的に検診をしていたのはそういうことだったんですね。充電直後だったこともありますが、あと2か月で充電が切れてしまうそうです。そして替えはきかないと…。つまり千束の寿命はあと2か月ということです。これにはたきなも動揺し、すかさず逃げた姫蒲を殺しに行こうとします。いや、僕もめっちゃ動揺しましたよ。ある意味正気をなくして、たきなと戦うことになったほうがまだマシだったんじゃないでしょうか。あと2か月で死ぬっていきなり言われるなんて、さすがに千束も少し動揺していたようですが、それ以降はいつも通り明るくふるまっています。たきなたちに心配をかけたくないからでしょうかね。

 

千束の過去

 ついに千束の過去が明らかになりました。千束は幼少期から非常に優秀なリコリスで、数人から一斉に射撃されても難なくかわし、一網打尽にしてしまうほどの強さでした。しかし先天的な心疾患を患っており、余命半年と言われていました。そのことをミカがヨシさんに話すと、ヨシさんは千束に人工心臓を提供し、死なせないと言います。アラン機関の人工心臓は、現在の技術の数世代先を行くもののようですね。だからこそ、千束があれだけ動いても問題なかったんですね。しかし、それでも完全なものではないようで、千束が成人するくらいまでしか動かないというのです。つまり、もともと千束の寿命はあと3年くらいだったということです。マジかよ……。しかもミカは、今とかなり考え方が違うようで、千束を殺しの道具としかみておらず、リコリスの現役は18歳くらいだから問題ないと言い放ちます。DAではこれが当たり前の考え方なんですかね。使い捨ての道具みたいな感じで、DAはやはり危ない組織ですね。その点真島は、めっちゃ殺しまくるとはいえ、仲間のことはかなり大切に思っているようです。ロボ太の作戦で犠牲が出た際には、かなり怒っていましたからね。……あれ、こうしてみると真島のほうがマシ…?いやいや、あいつはあいつでヤバいから。さんざん殺しまくってるから。

 ヨシさん、そしてアラン機関としては、殺しの才能だろうが何だろうが、才能は世界に届けなければならないという考え方のようで、千束の使命はその才能を余すことなく使い、一人でも多くの人を殺すことにあるといった感じのようです。手術が成功し、助けてくれたヨシさんを救世主と呼ぶ千束は、同じように誰かの救世主になりたいと強く願うようになります。これこそが、千束が殺しをしない理由なんですね。ヨシさんとしては大誤算でしょうけどね。その後、ミカと千束は共に過ごすことになり、そこで情が芽生えたという感じでしょうか。それにしてもロリ千束が超かわいかったですね。昔から天真爛漫という感じで、手術の際は人並みに怖がっていました。才能はあれど、一人の女の子なんだと思いましたね。やはり、寿命が2か月と言われたときも、本当はもっと泣き出したかったんじゃないでしょうか。そう考えると、本当に胸が締め付けられるような感じです。あと、千束が倒れたとき真っ先にフキが駆け寄っていたのも印象的でした。やっぱり仲がいいんですね、この二人は。

 

たきなの決意

 楠木司令は千束にDAに戻り、真島を抹殺する作戦に参加するよう要請します。それに対し、たきなをDAに戻せば考えると返します。千束としては、自分がいなくなった時のことを考えているんでしょうか。それもあってか、たきなにDA復帰の辞令が来ます。しかし、素直に喜べないたきな、当初は断ろうとしていたようです。千束との最後の2か月を共に過ごすために、そばにいようとしたんですね。

 しかし、黒幕がヨシさんである可能性と、ヨシさんが千束を殺すのが目的ではない可能性があることを知ったたきなは、DAに復帰し、真島からヨシさんや人工心臓のことを追おうとします。わずかでも千束が生きられる可能性があるならと……。もはやDAに戻れるかどうかなんて、たきなにとってどうでもよくなってますね。千束のためにDAに戻ることを断ろうとしたし、千束のためにDAに戻ることを決意した。たきなとしても、今となってはリコリコの居心地は良いでしょうからね。千束の為でなければ、人工心臓のことがなくてもDAに戻るという選択はしなかったのではないでしょうか。

 

かつてなく切ないちさたき

 DAに復帰することを決めたたきなは、それを伝えるために千束をデートに誘います。着てきた服はリコリスの制服ではなく、千束に選んでもらった夏服でした。ここも目立たないところではありますが、かなり大きな変化ですよね。冬に夏服を着るのはどうかと思いますが、そこもたきならしいですね。そして千束に冬服を選んでもらい、それに着替えるたきな、めちゃくちゃ似合ってました。その後もいろいろなところでデートを楽しむ二人ですが、たきなはかなり綿密にスケジュールを組んでおり、アラームが鳴るたびに次の場所へと移っていきます。この辺りは、遊びなれていないたきならしいですね。しかしこれも、千束に楽しんでほしい一心なので、たきなの優しさの結果なんですね。そのかいあって、思い出の水族館は臨時休業で行けなかったものの、満足げな千束です。「楽しいですか?」と聞くたきなに、「楽しいよ、たきなといるのはさ」と返すところが、ちょっとうるっと来ました。何かをするのが楽しいのではなく、たきなと一緒にいることが楽しい。こんなに嬉しい返事がありますかね。そのあと、電車に揺られながら最後の目的地に向かう二人、窓から夕焼けに色づく街を眺めるたきなが、儚げというかなんというか……。これまでにないたきなの表情で、DAに戻ることを伝える複雑な心境を表しているようでした。いやぁ、これまでなら可愛い可愛いいってただけなんですが、もう一つ一つが切ない感じがします。

 そしてラストシーン。高台にある公園で、ベンチに座る二人ですが、たきなは雪が降るのを待っているようです。しかしなかなか降らず、苛立つたきな。しかもDAに戻ることを見抜かれてしまいます。まあ、元はと言えば、千束が楠木司令と交渉したので当然と言えば当然ですが。

 理不尽なことが多いと嘆くたきなに、自分でどうにもできないことで悩んでも仕方ないと話す千束は、今日はめっちゃ楽しかったと伝えます。そしてグータッチ。たきなの「やったぜ」が本当に嬉しそうでしたね。何気に千束に対してタメ口って初めてでは?

 そしてDAに戻る連絡をすると話し、千束と別れるたきなですが、階段を下りた先で雪が降り始めます。階段の上と下で顔を見合わせる二人、そして反対の方向に歩き出す二人、ここはやばかったです。神秘的というか……、言葉で交わさなくても伝わっている感じが本当に良かったです。第3話のラストシーンと同じように、二人だけのシーンですが、あの時とはずいぶん関係も変わりましたね。

 

ヨシさんの狙いと希望

 さて、ここまで語ってきましたが、ヨシさんの狙いについて僕の考えを語りたいと思います。まずクルミも言っていましたが、ヨシさんが千束を用済みとして殺すつもりがあるなら、わざわざ人工心臓の充電機能を壊すのではなく、そのまま銃で撃つなりして殺せばいい話ですね。つまり最終的にヨシさんは千束を助けるつもりだと思います。ヨシさんとしては、何らかの手段をもって千束を操るか正気をなくさせて、千束にたきなを殺させるつもりだと思います。そしてそれをトリガーにして、千束の殺しの才能を覚醒させようとしているのだと思います。これこそが第7話でヨシさんがたきなに言っていた「君には期待しているよ」という言葉の真意ではないでしょうか。千束の才能を覚醒させるための道具として期待をしているという意味ですね。そして覚醒した暁には新たな人工心臓を用意していて、それによって千束の寿命を延ばし、殺しの才能を世界に届けさせる。こんな感じではないでしょうか。しかも10年前の人工心臓より、間違いなく性能は良くなっているはずですから、成人までではなく生涯を過ごせるくらいの性能になっていてもおかしくありません。もしこのとおりであるとすれば、ヨシさんには千束を救う手段があるということです。つまり、DAがこれから行う作戦に、千束とたきなが参加するのは無駄ではないということですね。真島からヨシさんにたどり着くことができれば、必ず千束は助かると思います。

 とはいえ、この予想が当たっていても外れていてもどっちでもいいです。重要なのは千束が助かるかどうかですからね。なんか突如現れたスーパードクターみたいな人が華麗に助けてくれてもいいんですよ。

 

まとめ

 という訳で、第9話について語りました。これまでのような尊いだけのちさたきではなく、切ないちさたきに完全にシフトした感じですね。これは本当に泣いてしまう日が来るかもしれませんね。Cパートでヨシさんと真島が接触する場面も気になりますね。というより、真島が一方的に接触した感じですが。最終章というだけあって、ラストスパートという感じですね。急展開が多くなる感じもしますが、おいていかれないようにしっかりとついていきたいと思います。

 

おしまい