言いたいことを言いたいだけ

アニメ、漫画、ラノベなどの感想をつらつらと語っていきます。昔の作品も取り上げます。

39回目『クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった(1巻、2巻)』

どうも、シオンです。

今回は久しぶりにラノベの作品について語りたいと思います。僕好みの可愛い女の子が出てくる作品で、読んでいて楽しい作品です。それでは、語ります。(ネタバレあり)

 

 

あらすじ

 主人公の前原真樹はB級映画好きのボッチ高校生で、入学してからまったく友達がいない状況だった。ある日、行きつけのレンタルビデオ店B級映画をあさっていると、同じクラスで2番目に可愛いとうわさされている朝凪海に声を掛けられ、同じ趣味を持っていることを知る。そこから毎週金曜日の放課後に、真樹の家で遊ぶようになる。

 

~登場人物~

前原真樹…ボッチ高校生、といいつつ海と知り合ったことで充実した日々を過ごす。

朝凪海……クラスで2番目に可愛い女の子、しっかり者だが、実は結構だらしない。

天海夕……クラスで1番可愛い女の子、海の親友で友達も多い。クラスでも大人気。

新田新奈…海と夕の友達。友達とそれ以外の対応の差が激しい。

作品の魅力

 この作品は、ボッチの真樹と人気者の海が学校では他人を装いながら、実は家で遊ぶほど仲が良くなるっていう、ありがちといえばありがちな設定なんですね。ただ僕としては、「こういうのでいいんだよ」と言いたい。基本的には真樹と海が友達といいつつ妙に距離が近く、なんだかんだとイチャイチャしながらドキドキする、みたいな感じですね。これまで読んだものだと『お隣の天使様』に近いでしょうか。僕はこういう作品がかなり好きです。

 この世界では夕が絶対的に可愛い女の子として描かれており、海は可愛いものの夕と比べると…みたいな感じで2番目に可愛いと表現をされています。しかし1巻、2巻を通して、真樹が夕に対してドキドキするとか、見とれるような描写は全くないんですね。もちろん、夕は外見だけではなく、内面もとても良いんです。ボッチだった真樹を案じて皆と遊ぼうと誘ってくれたり、真樹と同じ文化祭実行委員になるのを嫌がるクラスの女子たちに本気で怒ったり、海の親友だけあって心の優しい女の子なんですね。それでも真樹にとって特別なのは、はじめて歩み寄ってくれて、友達になってくれた海だけなんです。こういう主人公、めっちゃ好きです。ここから、1巻、2巻のそれぞれの魅力を語っていきます。

1巻

 1巻では真樹と海が友達となり、夕をはじめとするクラスメイトには内緒にしながら交流をしていく様子が描かれています。その中で少しずつ距離を縮めていい感じになる二人ですが、徐々に海の交友関係で問題が生じてきます。親友と思われていた海と夕の微妙な関係性や、中学時代の友達とのほんの少しのズレからの大きな亀裂など、海の複雑な心情が妙にリアルに感じます。正直、海が抱えていた問題は、大人になったら些細に感じるというか、そういうもんだよな、と無理やり納得するようなものな気がします。しかし中学時代に同じことがあったら、やっぱり海のように傷つくのではないかと思います。こういったあたり、ライトノベル全体で見た問題としてはとても小さなものではあるのですが、それゆえに等身大の悩みというか、強く共感できるものであったと思います。そして、それに対して真樹は直接解決に貢献をするわけではありませんが、余計な口を挟まず、どうするかは海にゆだねながらも、海のそばにいて励ますといった対応をとっており、これもとても好感度が高いです。ただそばにいるだけで、どれだけ海が心強かったかと考えると、真樹はなかなかやり手ですね。

 そして完全解決という訳ではありませんが、ひとまず夕や中学の友達との関係にケリがついた海は、そばで支えてくれた真樹に好きではなく大好きだと伝えます。まあそもそも夕との関係性の問題が表面化したのも、夕に真樹をとられたくないという理由だったので、その時点で大好きだろという感じではあるのですが、真正面からしっかりと伝えるのはいいですね。さすがの真樹もコロッと……いかないんですね……。自分に自信が持ちきれない真樹は、これを保留にします。おい真樹、いい度胸してるな…。でもまあ、お互いに名前呼びになったし、夕からの罰ゲームとはいえ恋人つなぎで登校したから良しとするか。きれいなまとまり方だったので2巻が出るのか心配でしたが、7月末に待望の2巻が発売されました。

 

2巻

 2巻ではますますいちゃつく二人、海は真樹を起こしに家まで来るし、真樹の家で朝食を食べたりするし……。付き合っているのを通り越して夫婦かよ、と突っ込みたくなるほど仲が良くなりました。僕も海に起こされたい……。そんなことを思いながら読み進めます。

 2巻では真樹の両親の問題が話の中心でした。真樹の両親は離婚しており、現在は母と二人暮らしをしています。真樹は時々両親が離婚をするときの夢を見るようになり、もやもやとした感情が徐々にたまっていきますが、それを誰にも言えないままでいました。さらに海とのデートの最中、離婚した父と仲がよさそうな若い女性を見かけ、ますます複雑な心境となります。もしかしたら離婚した原因は、父の浮気のせいなのではないか、と。そんな中、海の家に招待され、父、母、兄とぶっきらぼうな感じながらも温かい家庭であることを感じた真樹は、とうとう無意識に抑え込んでいた感情があふれ出し……といった感じです。

 こちらも実際に自分がその立場だったら、と考えるとかなりつらい状況ですよね。真樹は母のことはもちろん、離婚した父のことも好きだし尊敬していると語っています。それなのにどうして離れて暮らさなければならないのか。子供の立場からしたら本当にきついですよね。こういった、ある意味で等身大な悩みを海や海の家族、夕たち数少ない友人と乗り越えていくという構図が、現実味があるというか、そんなわけないだろ!という無意味なツッコミをしなくていいのがポイント高いですね。結構ほかの作品を読んでいると、そうはならんだろ……というようなことがある中で、この作品は登場人物の心情や周りの環境を非常によく考えているのが伝わってきます。確かにそうだよな、と自然と思えるのが良いですね。そして、真樹を支える海がもはや天使です。海は将来いいお嫁さんになりますね。真樹がうらやましいです。

 

推しキャラの魅力

 作品の魅力の中で、現実味がある、自然に読み進めることができるとべた褒めしましたが、一つだけ、首をかしげざるを得ない設定がありました。むしろ首を傾げすぎて一回転して元に戻ってしまうほどです。それは、朝凪海が2番目に可愛い、という設定です。はあ?と思いました。

どう考えても海のほうが可愛いだろうが!

と、開始数ページでブチ切れていました。もちろん好みの問題があるのは理解しています。それに夕は確かに可愛いんですよ。そのうえ性格も良い。天真爛漫でいつも笑顔で、一緒にいると楽しいと思います。しかし、そのうえで言いたい。海のほうが可愛い、と。

 海は入学初日の自己紹介の時から、同じ趣味を持っている真樹にずっと話しかけたかったんですね。でもこれまで話したことのない男子と話すのは当然勇気のいることで、海はわざわざ自己紹介の時に使った自己紹介カードを、クラスで発表したときの建前バージョンではなく、本音バージョンで作り直して渡しています。こういうところが、なんというかいじらしいですね。そこからあっという間に真樹に気を許した海は、毎週金曜日の放課後に真樹の家でゲームをしたり、漫画を読んだりと、一気に距離が縮まります。二人の共通の趣味はB級映画鑑賞なのですが、他にも食べ物など様々な点で好みや考え方が似ていることに気づきます。こうしてさらに仲良くなる二人ですが、なぜか海は親友である海を含め、周りにこの関係を秘密にしようとします。真樹としても、クラス上位カーストである海と仲が良いことを知られたら何かと面倒なので、それで良いと思っているようですが、実は海には、話したくない理由があったんですね。そう、作品の魅力のところでも語ったように、真樹を夕を含めほかの人に取られたくなかったから。海にとって、いつの間にか真樹との時間は、とても大切なものになっていたんですね。それを失いたくない、なんていじらしいんだ……。そして結構独占欲が強いですね

……。こういうの、めっちゃ好きです。一方で、真樹がつらいときにはしっかりと支えます。真樹を慰める海は、母性の塊でしたね。

 性格はもちろんですが、ビジュアルも圧倒的に海のほうが可愛いです。黒髪ショートでスタイル抜群といった、僕の好みのど真ん中をついてきます。こんな子が隣にいる青春を送りたかったですね……。

 

まとめ

 という訳で、2番目に可愛いと言いつつ、僕と真樹の中では一番かわいい女の子の話でした。物語としては2巻で非常にきれいに締められていたので、3巻が出るのかはわかりませんが、出るとしたら夕に焦点が当たるのではないかと思います。これにこれまで以上の真樹と海のイチャイチャも見られることでしょう。僕は待っています。2番目だけど1番可愛い君のことを、いつまでも。

 

最後の文は、自分で書いてて吐き気がするほど気持ち悪いですね……

 

おしまい