言いたいことを言いたいだけ

アニメ、漫画、ラノベなどの感想をつらつらと語っていきます。昔の作品も取り上げます。

46回目『継母の連れ子が元カノだった(1巻~9巻)』

どうも、シオンです。

 リコリコの話ばかりしていた前期の夏アニメなんですが、実はほかにも見ていた作品がありました。それがこの「継母の連れ子が元カノだった」なんですが、実際に見始めたのは7話とか8話くらいを放送していたころでしたね。あぁ、もっと早く見ておけばよかった…。見事にドはまりし、原作も全巻買ってしまいました。おかげで金欠です…。しかし、後悔はありません。では、語っていきます。

 

 

あらすじ

 作品タイトルのとおりなんですが…。主人公の伊理戸水斗は高校入学前に父親が再婚することになった。父の再婚相手には水斗と同い年の連れ子がいたのだが、彼女は中学2年から3年にかけて水斗と付き合っていたが、その後別れた元カノの綾井結女だった。

 

語りたいところ

作品の魅力

 この作品はYouTubeでたまたま見かけたのがきっかけなんですが、それがちょうどヒロインの一人、東頭いさなの着せ替えシーンだったんです。このシーン、かなりギャグのテンポが良かったんですよね。で、実はこれ結構面白いのでは?と思って1話から視聴し、最終的には原作を全巻購入するに至りました。この作品の魅力はキャラの面白さと設定の活かし方にあると思います。

 

キャラの面白さ

 まずはキャラの面白さです。この作品は男女一対一のカップリングが多いんですが、どのペアもなかなかにクセがあるんです。一言で言うなら…

 

男キャラはヘタレ、女キャラは責めすぎて空回り

 

 これに尽きると思います。まあ、男キャラがヘタレるのには理由があるんですが、それにしても…。一方、女キャラは中途半端な知識で行動をする結果、とんでもなく大胆なことをしてしまい、結果的に自分にダメージが返ってくる、といったことが多いですね。特に結女はそれが顕著で、例えば風呂上りにタオル一枚で水斗の前に現れたことで、水斗の動揺は誘えたものの、自身もだんだん恥ずかしくなって最後には失敗する、といったこともありました。

 

 一方水斗は、そんな結女をチラチラ盗み見ながらも、それ以上のことはしない、必死に動揺していないように装いながら、内心とんでもないことになっていることが多いです。まあ、いくら家族になったとはいえ、元カノで超かわいい結女にそんな大胆なことをされて、気にするなという方が無理な話です。水斗はちゃんと男である、ということですね。

 

設定の活かし方

 さて、次に設定の活かし方についてです。設定とは、この作品でいえば、「継母の連れ子が元カノだった」というものです。つまり、タイトルの通りなんですが、これを活かせている作品と、あまり活かせていない作品があると思うんですよね。最初のインパクトには使えるけど、そのあと、その設定あったっけ?みたいなことも割とありますよね。

 

 で、この作品は、まず導入で元カノがまさかの義兄妹になるというインパクトがありました。ただそれだけでは終わらずに、元カノであったこと、連れ子であることが二人にとって大きな障害になっているわけです。普通に考えれば、同じ屋根の下に元カノと住むようになれば、あれやこれやという妄想をふくらませると思います。しかし、この二人にとっては、それだけではないということです。

 

 なぜなら、二人は一度別れているからです。一度は袂を別って、無関係の他人になっているからです。もう一度付き合うことになったとして、また別れないという保証はない。そしてそれは、義兄妹として、同じ屋根の下で暮らす中で、致命的な失敗になってしまうということです。二人とも両親に心配をかけたくないという気持ちが強くあり、万が一にもそのような事態になったらマズい、というのが共通認識としてあるようです。まあ、そりゃそうですよね…。そんなことになったら、気まずいなんてレベルじゃなくなりますよね。だからこそ、一歩を踏み出せない。でも相手のことをどうしても諦められない。そんなジレンマに悩まされる姿にむずむずしてしまいます。

 

 こういった設定の活かし方が、この作品のドキドキ、ハラハラ感を演出していると思います。こういうのはすごく好きですね。

 

東頭いさな という存在

 この作品の語りたいところのもう一つは、東頭いさなというキャラの存在です。このキャラはこれまで読んだ作品にはなかったキャラで、とにかく行動が読めない。いさなは水斗と急速に仲良くなり、何なら結女より仲良くなっている気がします。いさなは周りとの違いに悩むシーンがあるんですが、いさなの独白は読んでいて胸が締め付けられるものがありました。ああ、いさなもある意味普通で、ある意味変な女の子なんだな…そして僕も含めて普通の人なんていないかもしれない…と。

 

 水斗といさなの関係は物語で切っても切れないものになっており、最新9巻ではめちゃくちゃ重要な役割を持つことになります。東頭いさなというキャラの存在は、この作品のスパイスになっていると言えるでしょう。

 

川波小暮と南暁月の関係性

 最後はこの二人の関係性でしょう。この二人は幼馴染で、風呂も一緒に入っていたくらいの仲で、当然のように付き合っていた関係でした。しかしとあることがきっかけで破局し、かなり険悪な仲になっていました。この二人は水斗と結女とは違った意味で気まずい関係で、家が隣同士なんですよね。しかも二人の親は二人が付き合っていて別れたことに気づいていないようで、今でも仲がいいと思われているようです。ある意味、水斗と結女の関係が失敗した未来のようだと思いました。

 

 この二人が別れたのには、暁月のヤバさが原因の根幹にあるんですが、月日がたったことで、かなり反省をしているようです。しかし自分のせいで川波に消えない傷を負わせてしまったという自責の念を感じているんです。この二人の関係も、かなりヤキモキします。川波としてもひどい目にあったとはいえ、これまでの関係もあり、嫌いになりきれない感じがします。9巻まで読むとかなり関係は改善されていくんですが、まだ完全な修復には至っていないんですね。この二人の関係がどうなるかが、今後の楽しみの一つです。

 

伊理戸水斗という主人公について

 さて、時々書く主人公論についてですが、伊理戸水斗という主人公は、僕としては魅力を感じます。結女の行動に動揺する人間味のある一面もあれば、基本的に他者とのかかわりを持とうとしない、それを苦としないという一面もある。他者に流されない、自分を持っているというところがいいですね。主人公の基本的な部分に一本筋が通っていると、それに沿った行動をしているか、あるいは違和感を持つ行動をしているかということで、水斗の感情がわかるような気がします。こういう主人公がいると、安心して物語を読み進めることができます。

 

推しの魅力

 この作品の推しキャラについてなんですが、はっきり言って決まってません。これ、僕としてはかなり珍しいです。通常、誰かしらを猛烈に推すことになるんですが、今回は少し違っていて、純粋に物語の続きのほうが気になっています。水斗と結女、水斗といさな、川波と暁月、さらに後半登場した生徒会メンバーの関係性など、気になるペアが多すぎますね。

 

 強いて言うなら、この作品を見るきっかけになったいさなでしょうか。彼女は登場するだけで面白いので、そういった意味では推しかもしれませんね。

 

まとめ

 というわけで、色々と語りましたが、総じてかなり評価は高いですね。原作は全巻買って一気に読んでしまいました。それだけ続きが気になりましたし、現在進行形で10巻が気になって仕方がありません。アニメも2期が来てほしいですね。これからも楽しみな作品にまた会えたことがうれしいです。では、この辺で。

 

おしまい