言いたいことを言いたいだけ

アニメ、漫画、ラノベなどの感想をつらつらと語っていきます。昔の作品も取り上げます。

23回目『Engage Kiss(1話~7話)』

どうも、シオンです。

 今回は夏アニメのオリジナルアニメである『Engage Kiss』について語りたいと思います。脚本が冴えカノの丸戸史明先生で、制作がA-1 Picturesという期待しかない組み合わせで、実際にここまでかなり面白いと感じている作品です。じゃあもっと早く語れよ!と思うかもしれませんが、今期は個人的に「奴」が強すぎて……。ここまでサボってしまいました。しかし「奴」もA-1 Picturesが制作なんですよね。恐ろしい子……。

 

 

あらすじ

 主人公、緒方シュウが住む街、ベイロンシティは、D災害(悪魔災害)という悪魔および悪魔憑きによる事件が多発していた。シュウは悪魔退治を請け負うPMC(民間軍事会社)を個人で運営しているが、常に金欠で厳しい生活を続けている。そんな彼に献身的に尽くすのは、女子高生の姿をしたキサラという少女だが、実は彼女にも秘密があり……。

 

作品の魅力

 さてこの作品、世界観はなんとなくありそうな感じではあるのですが、キャラの関係性は新しいものがあるのではないでしょうか。まず、主人公であるシュウは大分クズです。元恋人で元同僚である夕桐アヤノに対しては、夕食をたかる、携帯料金をたかるなど、なかなかのクズです。まあ、それを払ってしまうアヤノもどうなんだって話ですが。このアヤノがヒロインの一人で、シュウに対して強気に出る場面も多いんですが、猫なで声のシュウになんだかんだ丸め込まれてしまいます。以前はシュウと付き合っていましたが、とある理由でシュウから別れを切り出されます。しかし今でも好きなようで、呼び出されるとどんなに忙しくてもおしゃれをしてくるのが可愛いですね。そしてもう一人のヒロインであるキサラですが、彼女はシュウの押しかけ女房のように、シュウの事務所兼自宅に押し入り、料理など身の回りの世話を焼きたがります。そして、アヤノを含む他の女性といると激怒する、つまりヤンデレ的な感じですね。さらに言うと、キサラはシュウについている悪魔なんですね。しかも格別強い悪魔で、シュウとともに悪魔狩りをしています。そんなキサラですが、特に元恋人であるアヤノとは犬猿の仲で、シュウを巡るマウント合戦が面白いです。ここまででわかるように、クズ、チョロ女、ヤンデレという、なかなかまともではない三角関係が出来上がっており、当然彼らのやり取りはドタバタとすることが多いですね。そういう設定を作るところが、さすが丸戸先生だなと。

 先ほど世界観はありそうな感じといいましたが、とはいえオリジナルアニメ特有の先の見えないドキドキ感があり、見ていてとても楽しいですね。様々な謎が張り巡らされており、徐々に明らかになっていくシュウやキサラの過去が気になって仕方がありません。シュウもクズですが、なかなかキツイ過去を持っていて、現在もなかなかの状況なので、報われてほしいとは思います。しかもこの男、クズのくせに非常に家族思いで、そのためにすべてを投げうっているということが判明したので、かなり印象が良くなりました。

 

キャラの魅力

 この作品はクズ、チョロ女、ヤンデレというヤバい奴らがメインの割に、かなり好感が持てるというか、感情移入できるキャラたちだと思います。特にシュウとアヤノの関係は見ていて少しつらいものがあります。悪魔憑きは悪魔の力を使うために、何かしらの代償を払う必要があるんですが、キサラとシュウの契約は、シュウの記憶を差し出すことなんですね。しかもそのために、めっちゃ濃厚なキスをするんです。タイトルにもなっているくらいなので、このシーンの作画はかなり気合が入っていますね。そのためシュウはアヤノと付き合っていたころの記憶がどんどんなくなっており、それを知ったアヤノの悲しそうな顔を見ると、こちらまで悲しくなってしまいます。そこまでして、なぜシュウはキサラと契約をしているのか。

 これは5話のネタバレになるのですが、シュウの家族は昔、悪魔災害の被害にあっており、両親と妹を失っていました。しかもそれをシュウの父親のせいにされ、世間からも大バッシングを受けていました。しかし数年前から、妹が生きている可能性が浮上してきたのです。それを知ったシュウは、付き合っていたアヤノと別れ、勤めていたPMCを辞めて、悪魔であるキサラと契約をしたんですね。妹を助けるためとはいえ、記憶を差し出し続けることで、いずれシュウがシュウではなくなってしまうのではないかと心配するアヤノに、「生き方は変えられない」と言ったシュウがかっこよかったです。こういう、一本芯の通ったキャラはいいですよね。アヤノがほれる理由もなんとなくわかる気がします。

 一方キサラですが、正直に言うと、現時点ではあまり好きにはなれませんね……。というのも、やはり僕はアヤノに感情移入してしまうところがあって、どうしてもキサラが二人の邪魔をしている印象になってしまうんです。シュウとキサラの間に何があって、どういった経緯で契約をしたのかまではわかりませんが、うーんといった感じになってしまいます。もちろんキサラも可愛いシーンがたくさんあり、アヤノとは違った魅力がありますし、キサラ自身もシュウのことを非常に大切に思っていることは伝わってくるので、嫌いというわけではないんです。今後の展開次第では、逆転する可能性も十分にあると思いますので、楽しみにしています。

 

推しキャラの魅力

 ここまで読んでいただけると、僕の推しキャラが誰だか大体わかるのではないでしょうか。そうです、僕の推しキャラは……

 蜂須賀凛花(リンファ)です!!

……本当にすみません。さっきまで散々アヤノの気持ちを考えると…とか言っていましたが、僕はリンファ推しなんです。リンファはベイロンシティ市長である蜂須賀正隆の次女で、姉とともに副市長を務めており、アヤノと同級生です。黒髪ショートでサバサバとした性格という、僕のドストライクなビジュアルと性格なんですね。一目見た瞬間に、推しキャラになっていました。出番はいまいち少ないので、もっと増えてほしいですね。

 ついでにもう一人、6話で登場したシャロンもちょっと気になっています。シャロンはシスターの姿をしたエクソシストで、シュウと過去に行動を共にしていたようなんです。しかも6話の最後には、シュウとともにキサラとあっていたことが判明しました。ここから、どのようにしてキサラとシュウが契約をしたのかが気になりますね。シャロンは戦闘能力が非常に高く、特に体術ではシュウやアヤノが手も足も出ないレベルです。そんなシャロンですが、何が良いかというと、ズバリ目です。ちょっとジトっとした感じというか、強気な感じの目がすごくいいですね。6話ではキサラに記憶を奪われた影響か、シュウはシャロンのことを忘れていました。それを知ったシャロンは、ジトっとした目をして、馬乗りになっていたシュウをボコボコに殴り始めました。相当ショックだったんでしょうか……。ご褒美…いやさすがに〇ぬか……。その後あらわれたキサラに、昔の男に忘れられて動揺した?と聞かれ、一瞬ムッとした表情になるも、すぐにスンっとしたジト目気味の表情になり、ここも可愛かったですね。シャロンは物語でも重要な役割を果たすと思うので、今後もガンガン活躍してほしいですね。

 

ちょっと、ん?てところ

 さてここまで作品のいいところを挙げてきました。作画よし、設定よし、キャラのデザイン、関係性よしといった感じで、トータルで見れば良い作品なのは間違いないです。しかし見ていく中で、あれ?と思うところがいくつかありました。書くかどうかは迷ったんですが、このブログは言いたいことを言うブログなので、書いていきたいと思います。

 

キサラの強さ

 一つはこれです。キサラは史上初のA級災害として認定された悪魔で、1話で出てきたB級の悪魔程度なら敵ではないという設定でした。しかしいざ戦ってみると、意外と下位の悪魔相手に苦戦をしているんですね。1話もシュウとディープなキスをして覚醒しましたが、瞬殺というわけではなくお供の犬を相手に結構時間がかかっていた印象です。A級というくらいですから、例えば一振りで全滅!みたいな感じかと思っていました。そのあとに出てきた芋虫悪魔も、シュウの力を借りて撃退していましたし、まだ完全な覚醒ができていないということかもしれませんが、正直そんなに強い印象を感じませんでした。もっと圧倒的な感じを期待していたんですが、そうすると物語が単調になってしまうかもしれないので、これはこれでいいのかもしれませんね。

 と、6話の時点では思っていたんですが、7話でシャロンと戦ったときはなかなか強かったですね。徐々に力を解放し始めているといった感じなんでしょうか。かなり強力な悪魔の出現も示唆されているので、今後の覚醒にも期待したいですね。

 

PMC(民間軍事会社)の無力さ

 もう一つはこれです。PMCは対悪魔災害の事業を運営しており、悪魔災害に誰が対処するかの入札も行っています。しかし彼らが使う武器は一般的な銃火器で、どれも悪魔に有効とは思えない威力です。むろん決定打にもなりえません。そうなると悪魔に対抗できるのは、悪魔と契約をしているシュウだけなんですが、他の会社は格安で請け負おうとするシュウたちを毛嫌いしています。もちろん、通常の入札であればシュウのやり方はちょっとまずいんですが、相手は悪魔です。しかも過去にシュウがキサラと契約をしてPMCの申請を出した時も、アヤノの会社以外が結託して討伐しようとしていました。しかし見事に返り討ちにあっているんですね。そんなのしかいないわけですから、シュウとキサラがいなければとっくにベイロンシティは壊滅していると考えていいでしょう。これは刑事でシュウの関係者でもあるマイルズも同じことを言っています。

 つまり何が言いたいかというと、パワーバランスがあまりにも悪いということです。キサラというイレギュラーがなければ、悪魔に対抗する手段は皆無と言っていいわけですね。対悪魔災害を名乗るのであれば、何かしらの有効打があってもよかったのではないかと思いました。

 

まとめ

 というわけで『Engage Kiss』について語りました。最後にちょっと悪口を言ってしまいましたが、トータルで見れば間違いなく良作ですね。続きが気になりますし、最後まで視聴するつもりです。シュウ、アヤノ、キサラの三角関係がどのように進展していくのか。推しのリンファとシャロンが、今後さらに活躍してくれるのか。楽しみですね。個人的に今期はあまりにも「奴」が強すぎますが、通常であれば十分トップを狙える作品だと思います。最後まで期待をしながら見ていきたいと思います。

 

おしまい