言いたいことを言いたいだけ

アニメ、漫画、ラノベなどの感想をつらつらと語っていきます。昔の作品も取り上げます。

42回目『負けヒロインが多すぎる!(4巻)』

どうも、シオンです。

 今回は、過去に語ったこの作品の続巻が出ましたので、それについて語っていきたいと思います。この作品、僕としてはかなりツボなんですよね。基本的にギャグ路線ですが、その中に一本大き目の問題が通っていて、それをめぐって主人公の温水が巻き込まれていくんです。これが大きいようで小さいようで大きいのが面白いんですね。では、語っていきます。(一部ネタバレあり)

 

4巻のあらすじ

 3巻で文芸部の3年生が引退したことと、なんやかんやあって温水が部長になりましたが、冒頭でその3年生の月之木古都のナマモノBL同人誌が生徒会に没収されてしまいます。…しょっぱなから何やってんだよ…といった感じなんですが、本当にこれが始まりなんですよね。そしてこれが、思わぬ大きな問題につながっていくわけですが。

 4巻のメインキャラは生徒会副会長の1年生、馬剃天愛星(ばそりてぃあら)と、同じく生徒会書記の2年生、志喜屋夢子(しきやゆめこ)です。天愛星はクソ真面目で堅い感じで、月之木先輩の同人誌を没収した張本人ですね。志喜屋先輩は紹介文が「歩く屍系ギャル」となっていますが、その通りとしか言えませんね。この二人と月之木先輩に温水が巻き込まれていくことになるんですが、そこに首を突っ込んで温水を困らせるのが文芸部員の1年生、八奈見、小鞠、焼塩です。しかしこれが、3巻までと大分様子が違っているんですよね。

 

温水にモテ期?

 3巻までは、ガチで温水は各ヒロインにとって男友達の一歩手前、知り合いより親しいくらい、な印象を受けていました。しかし、4巻ではやたらと温水がヒロインたちといい雰囲気になっているんですね。とはいえ当の温水は全くいい雰囲気になっている気はしていないようですし、ヒロインたちも好きになっているまではいっていないけど気になり始めている?感じですね。

 八奈見は…花より団子といった感じですが、最後のエピローグを見ると、おやおや?といったところが見られました。まあ幼馴染の袴田を姫宮さんにとられてからそんなにたってませんし、さすがにまだとは思っているんですが。ラストシーンはなかなかドキッとしましたね。八奈見は鈍いようで、結構鋭いところがあるようです。

 今回のメインキャラである天愛星とは一気に距離が縮まりましたね。堅いだけだと思っていましたが、意外な弱点があり、思わぬ方向に進んでいっており、温水に対しても少なからずいい印象を持っているのではないかと思います。後半では多くの生徒がいる前で志喜屋先輩と温水を巡った修羅場(ではない)があり、まさかのプレゼントがありと、志喜屋先輩がチョロいと言っていたとおりの展開になりつつあります。とはいえ、こちらもまだ、恋愛対象とまでいっているかは微妙ですね。ただ、近いうちになるのではないかと思っています。

 もう一人のメインキャラである志喜屋先輩とは、これまたずいぶん距離が縮まりましたね。もともと相性は悪くない感じですが、志喜屋先輩は不思議枠なので、何を考えているのか全く分かりませんでした。しかし4巻をとおして、志喜屋先輩の過去が判明し、それに温水が巻き込まれる形で近づいていったんですよね。結果的にこれも好きという感情まではないと思います。今のところ仲のいい後輩か、出来のいい弟、みたいな感じでしょうか。とはいえ、温水との関係が噂になってまんざらでもなさそうなので、なくはないのではと思っています。

 焼塩檸檬も、志喜屋先輩や天愛星と温水の絡みを気にしているようで、帰りの電車では探りを入れているような感じでしたね。こちらも八奈見同様、綾野光希との決着がついたばかりなので、温水を好きとまでは言えないんでしょうが、なんだかんだ世話になっているので、気になってはいるのでしょうね。

 さて、僕の推しキャラである小鞠知花は、前回のラストで温水への好感度が爆上がりしているためか、かなり「あり」な行動をとっています。序盤で温水のクレープにぱくついたときは驚きました。そしてその挿絵が可愛すぎましたね。今回は出番が少なく残念でしたが、温水が志喜屋先輩や天愛星と仲良く(温水としては仕方なく)しているのを知ったときは「死ね!」と怒っていますし、後半のとあるシーンで照れ隠しする際も「死ね!」と言っています。…小鞠が温水のことをどう思っているかはわかりませんが、これでは温水にきちんと気持ちが伝わらないですよね。小鞠推しの僕としては、ぜひ小鞠に結ばれてほしいと思っているんですが、もう少しコミュニケーション能力がなければ、ただでさえ自己評価の低い温水には絶対に伝わらないと思います。

 

温水和彦という主人公について

 こうしてみると、負けヒロインズおよび生徒会メンバーから、大なり小なり矢印を向けられ始めている温水ですが、本人はこうした矢印に全く気付いていないんですよね。これは自己評価の低さがあると思うんですが、これまで全くこういった経験がないからか、鈍感な一面もあるんだと思います。あと、一番大きな矢印を、一番身近な妹から向けられているというのもあるかもしれませんが。とはいえ、僕は温水という主人公のことが嫌いではないです。むしろ、主人公として好感を持っています。ここは、かなり重要なポイントなんですね。

 僕は作品を選ぶ際に、評価をするポイントが大きく二つあります。一つはヒロインが可愛いこと。基本的に可愛いヒロインがいなければ読む気が起きません。もちろん例外はありますけどね。大半は最低一人は「推せる」キャラがいます。そしてもう一人は、主人公に好感が持てるかです。これも例外はありますが、例えば、なんでそこで気づかないんだよ!とか、なんでそういう考え方になるんだよ!とか、ヒロインをもっと気遣えよ!とか、読んでいてイライラする主人公は結構いるんですよね。そういうのは僕には無理なんですね。

 ではこの作品はどうなのか。まず推せるキャラは小鞠知花がいます。ほかのキャラも好印象で、結果的に誰かと結ばれることになっても概ね納得できます。で、主人公の温水は、鈍感なところはあるものの、恋愛方面以外は結構鋭いところがあり、的確に問題点を見出し、解決に向けて行動していく力がありますね。鈍いとは言っても、そもそもヒロインから完全な好意を寄せられているわけではないので、当然と言えば当然ですが。その中で、女子に話しかけるのにそわそわしたり、頭の中で色々と言い訳をしたり、ファッションセンスが残念だったりと、不快ではない弱点をもっている点が逆に面白さを引き立てています。もちろんストーリーも大切ですね。これも冒頭で少し語りましたが、作中で発生する問題は大きいようで小さいようで大きかったり、意外と別の方面で動いていることがあったりと、読んでいて飽きがこないです。とにかく、5巻以降はヒロインたちの矢印がどのように変化していくのかが楽しみなので、早く出てほしいですね。

 

月之木古都と志喜屋夢子

 さて、今回の騒ぎの核となっているのはこの二人の関係性にあります。この二人は前年度の生徒会メンバーだったようですが、とある理由で不仲になっていました。といっても、月之木先輩が一方的に志喜屋先輩を避けているような感じなんですが。その理由までは語りませんが、ここから得た教訓としては、思いはきちんと話さなければ伝わらないということですね。本当に些細なすれ違いが、後々まで大きく響いていく、これはまさにその典型だったと思います。胸の内にため込んだままでは、ずっともやもやしたままですしね。とはいえ、それができれば苦労はしませんよね。難しいものです。

 

まとめ

 という訳で、「負けヒロインが多すぎる!」の4巻を語りました。出たばかりなので、あまり深くは語りませんでしたが、かなり好きな作品ですね。僕としては小鞠と温水の絡みを増やしてほしいですが、ほかのヒロインとの絡みも見たいですね。どういう方向に進んでいくのか、今から5巻が楽しみです。早く出ないかな~。

 

おしまい

 

※1~3巻までの記事はこちら

 

shionbook.hatenablog.com